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【地方自治体でも活用】SNSカウンセリングのメリットとデメリットについて

投稿日:2021年7月23日 更新日:

こんにちは、くまねこです。
1か月更新が滞ってしまいすみません。。。
業務量の増加と体調不良が重なり、バタバタとしておりました。
人の支援をするカウンセラーたるもの、まずは自己管理をすることが大切ですね…。
(ちなみにですが、本来は毎週金曜の11時に更新できるよう心がけています)

皆様も、季節の変わり目ですので体調にはお気を付けくださいね^^

では、気を取り直して今回のテーマです…。

最近テレワークの増加のニュースをみたり、普段の仕事をこなす中で私が気になっていることがあります。
それはSNSカウンセリングです。

私は実践したことがないのですが、SNSカウンセリングは主にLINEを使って1対1の時間にして普通のカウンセリングと同じ50分から1時間ほどで、文面でのカウンセリングを行います。

これだけ聞いても、対面とはかなり質の違うものになりそうですよね・・・。

ただ、コロナ禍の今だからこそ、SNSを通じて気軽に相談できる仕組みというのは、重宝される側面が多いとも感じます。

今まで取り組まれることが少なかったSNSカウンセリングにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
私も時代の波に乗って、チラ見くらいはしておこうかなと思っています。

では、最近勉強した本からの情報&私の感想も含め、紹介したいと思います。^^

SNSカウンセリングのメリット

1.簡単にアクセスしやすいので相談しやすい

普通のカウンセリングの場合、電話で予約して、相談機関に自分で行き、カウンセリングを受けるという流れですが、SNSカウンセリングの場合、どこにいてもスマホやパソコンがあれば相談することができます

それはカウンセラーも同じでどこにいても対応することができます。極端にいえば世界中のどこにいても相談をすることができます

なんか、改めてそう考えるとすごいですね。。。
苦しい、しんどい時というのは、外に出ることすら億劫だということ、ありますよね。
そんなときに、手元にあるスマホからカウンセラーとつながれることは、
気力が落ちてしまっている人にとってもありがたいシステムだなぁ、と感じました。

2.文字に残るので、読み返して考えられる

これも対面で行うカウンセリングではできないことです。
文章でやり取りすれば記録として残るので、相談で得たことをしっかり根付かせることができます。
カウンセラーにとってもクライエントにとっても文章を読み返して対応することで、自分の考えを客観的に見ることできるので、自己理解を深めることができます。

SNSカウンセリングのデメリット

1.安易に相談に来る人も増える

長所は短所の裏返しとよく言いますが、誰でも気軽にアクセスできてしまう分、
例えば冷やかしで相談に来たり、カウンセリングの動機付けが高くない人が相談することももちろんあり得ます。

その結果、本当に相談したい人が相談できない状況に陥る可能性があります。
クライアントの優先順位をつけるわけにもいかないし、多くの相談が押し寄せてしまうということは、その分さばききれなくなってしまう恐れもありますよね。

そうなると、クライアントは失望してしまったり、
想定していたサービスを十分に受けられないということにつながってしまうので、少し残念な気がしますね。。。

2.対面でないので、得られる情報量が少ない

カウンセリングでは、例えばクライエントの声のトーンや表情も大切な情報になります。
暗いトーンで話せばそれが主訴なのではないか、カウンセリング中で話題が変わって急に表情が変わった場合、その話題に触れたくない何かがあるのではないか・・など、非言語的情報はカウンセラーの考察を深めてくれます。それができないことで、深いカウンセリングができないのではないか?といった疑問もあります。

手っ取り早く、自分の感情を吐き出したり、言語化して整理することは可能かもしれませんが、
カウンセラーも文面だけから判断しなくてはならない分、助言をしずらかったり、クライアントが言おうとしていることを汲み取りづらいということが発生するかなぁ、、、と感じました。

あとは個人的には、知的能力の面で言語化が苦手なクライアントであれば、
文面だけで自分の意図することを伝えるというのは、かなり難しいのかなぁとも感じました。
また、混乱している人にとっては、状況を相手に伝わるよう、冷静に言語化していくことがとても難しいことだったりもしますよね・・・。

はい、そのような感じで・・・。
今回は、SNSカウンセリングのメリット・デメリットについて、書籍をチラ見しながら(というかガッツリ見ながら。カンニングです(笑))紹介させてもらいました。

他にも様々なメリットやデメリットがありますが、少なくともコロナ禍で対面のカウンセリングが難しくなるなか、SNSカウンセリングはさらに普及する可能性があるのではないでしょうか・・・。

まだ研究も少ないですが、実は2017年9月に長野県がライン相談を行い、その結果について検討した例があります。次のブログではその事例についてもご紹介していきますね。

今回参考にした本について載せておきます。

杉原保史・宮田智基:SNSカウンセリング入門 LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際 北大路書房

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