こんにちは、くまねこです。
心理職にとって最も重要な仕事道具である心理検査ですが、実際の現場で使われる心理検査は実に多種多様です。
中には大学の授業では聞いたこともないような心理検査を仕事で使うこともありますが。。。
実際私が仕事で使用している心理検査の多くは、今のところ大学院で学んだものが多いですね。。。
そこで今回は私が学生時代によく実習で使用していた検査を、ざっくり紹介したいと思います。これから勉強する方は、概要掴んでいただければと思います。
そして、超独断・超私見で、心理検査の難易度を★の数で評価しちゃおうと思います。参考程度にみていただければ幸いです。
1.知能検査(WAIS、WISC)
まず、超王道の知能検査。
知能検査で最もよく使っていたのは、ウェクスラー式知能検査ですが、これはどの分野でもかなり使われると思います。
現在私が勤務している医療機関でも使っています。
このウェクスラー式知能検査には
★成人用のWAIS
★児童用のWISC
★幼児用のWPPSI
があり、それぞれの検査には対象年齢があるので、領域ごとに使われる頻度は変わってきます。
(ただ、WPPSI使ってる現場には、まだ行ったことありません。。。これまで行ったことのある現場では、その年齢だとビネー式の知能検査を使っているところの方が多かった所感です。)
また、数年おきに改訂がされており、現在のところ、WAIS―Ⅳ、WISC―Ⅳ、WPPSI―Ⅲがでているようですね。
実習では、主にWAISとWISCを使用していました。
個人的な実感として、WAISの練習は同期のメンバーと一緒にトレーニングできるので、結構楽しかったです^^
(練習終わったあと、居室にお菓子やジュースを持ち寄って息抜きもしてました)
ただ検査項目がかなり多いことから、習得にはやや時間がかかりましたね。
ちなみに私が学生の頃は最新がWAIS―Ⅲでした。
あとはWAISーⅣがでてるものの、まだ解釈本や事例なども少ないことから、WAISーⅢを使っている機関はまだ多いですね。
■WAIS&WISCの難易度:★★★★☆(星4つ!)
14種類前後の下位検査を行わなければならず、覚えることがかなり多いのは、難しいポイントでした。
ただ、解釈は色々な本が出回っているし、長い歴史があること・臨床現場で良く用いられることから、すでに沢山の事例があるので、レポートの書きやすさで言うと、他の心理検査よりも書きやすい気がします。。。
あとは、知能検査でいうと、ビネー式も習いました。
実習でとらせてはもらえなかったのですが、心理士の先生が検査をとっているところをサラッと陪席させてもらった程度ですね。
ビネー式、現在は臨床現場で使うことがないので事なきを得てますが、使うことになったら勉強しなおさないとなぁ・・・(^^;
2.性格検査(質問紙法、投影法)
性格検査もたくさんありますが、私が実習で使用したのは、TEG、YG性格検査、MMPI、バウムテスト、HTPテスト、PFスタディなどです。
これらは、質問紙法と投影法でおこなうものに分かれますね。
(もう一つの性格検査として、作業検査法(内田クレペリン検査)などがありますが、実習では使わなかったですね。)
その中でいうと、YG性格検査やバウムテストはよく使っていました。
あとは、担当の先生の好み&クライアントの主訴によって、使う検査がちがったりもしましたが、この2つは比較的王道だったように思います。
医療領域だとさらにロールシャッハテストも含まれると思いますが、難易度が高いため、ロールシャッハテストは主に先生が行っていました。
(医療機関での実習のみ、1,2回取らせてもらう機会はありました。ただ、ロールシャッハの実施&解釈には、かなりの訓練が必要で、そう簡単にとっちゃいけないものだぜ!ということは、ロールシャッハを講義してくれた先生に、口酸っぱく言われてました。。。)
■質問紙の性格検査の難易度:★★★☆☆(星3つ!)
実施が簡易であることから、やや難易度低めかなと思います。ただ、解釈には投影法と合わせて検査した結果&臨床面接でお会いした感触も含めて書いていくため、やはりそれなりの経験が必要で、初学者は苦労するかと思います。
■投影法の性格検査の難易度:★★★★★(星5つ!)
投影法のなかの、特にロールシャッハはとにかく訓練が必要な検査なので、星5つにしました。
被検査者の発言を、コードに変換して記載していかなければならないのですが、検査をとりながら、コードを記載する必要があるため、それなりのスピード感も必要ですし、かなりの特訓が期待される検査ですね。。。そして、解釈にもロールシャッハの検査結果はもちろん、臨床面接の感触ともあわせて書かなくてはならないので、それにもかなりの経験を要します。
個人的には授業の範囲内だけだと学びきれないと感じる為、ロールシャッハを職場で使うならば、ロールシャッハ専門の勉強会などで集中的に学ぶことがおすすめです…!
3.神経心理学的検査
主に脳機能や認知症の程度を把握するために行う検査を神経心理学的検査といいますが、例えばMMSEや改訂長谷川簡易知能評価スケールを使用しました。大学の相談センターに来られる方のほとんどは認知機能はしっかりしているので、これらは主に病院の実習や研究で用いました。
■神経心理学的検査(MMSE&長谷川式):★★★☆☆
実施は比較的簡易であり、スクリーニング検査(認知症かどうか見分ける)であることからカットオフ値も決まっています。そのため、解釈も心理検査と違ってシンプルな傾向にありますね。
4.その他の検査など
上にまとめたもの以外でも不安の程度を測定するSTAIや抑うつの程度を測定するSDSなど、クライエントの主訴に応じて様々なものを使っていました。
あとは、就職先によって使う心理検査がやや異なる為、自分の仕事で使うものを就職してから改めて勉強しなおす、ということも多い気がします。
※医療、教育、福祉、産業、司法などなどの領域で、やや異なります。。。
私は医療機関でWAISを用いることが多いのですが、
所見も突き詰めていくと終わりがなく、言い方悪いですがどこかで妥協して、時間内に所見を完成させなければなりません。
最初はそこが若干心苦しかったですが、「できる範囲で」勉強を重ねていこうと、こころがけています。
★雑談:私の大学院で心理検査を勉強するときには、まずはじめに院生が一人ひとり担当の心理検査を調べてきて、パワポにまとめて発表する。というルールがありました。その後、実際に皆で検査に触れながら取り方を学ぶ、というやり方でした。他の大学院でもよくあるのですかね?^^