くまねこブログ

現役臨床心理士・公認心理師が、資格試験・大学院受験・仕事のあれこれ・日常について語ります。

臨床心理士指定大学院

【臨床心理士への道:大学院での実習】①医療領域編

投稿日:

こんにちは、くまねこです^^

今回から、臨床心理士指定大学院で行ってきた実習について紹介したいと思います。
臨床心理士の仕事のフィールドとして、【医療・福祉・教育・司法・産業】の5つがありますが、今回はその中の「医療領域」での実習についてです。
(ちなみに、私はこの5領域の中の「福祉」以外を経験しました)
 
実習を通じて、自分が将来働きたい領域を知ることにもなりますので、個人的には非常に重要な過程だと思ってます。
こちらはあくまでも私の1体験談ですが、参考にしてみてください…!^^

1.単科の精神科病院での実習

まず、医療領域での実習は、「単科の精神科病院」と「総合病院」の2つがありました。
そして、私たちの初めての実習先は※単科の精神科病院でした。
(※単科の精神科病院とは:「精神科」をメインとした病院)

「単科の精神科病院」というと、患者さんの身の危険を守るために閉鎖病棟があたりする等、個人的には少し緊張が走りました・・・。
また、世間一般のイメージとして、心療内科や総合病院よりもより重い病態の方がいらっしゃるイメージがあるため、私自身も実習前には身構えるところが多かったです・・・。
そんなこんなで、やや緊張感の高い状態で実習にのぞみました。

そして、病院実習では基本的に、実習生を指導してくれる心理士さんと一緒に病棟を回っていくのですが、主には、
①心理士さん・入院患者さんと一緒に、グループワークに参加
②他職種同士のケースカンファレンスの参加
などやらせてもらいました。

このように、患者さんと関わる機会+多職種連携を学べる機会となっていたように思います。

①心理士さん・入院患者さんと一緒に、グループワークに参加
まずは患者さんとのグループワークについて・・・
このグループワークでは、患者さんの社会復帰に向けて、活動性を高めたり、社会性を身に着けていったりする、といったところが目的となります。

具体的には、
回想法と呼ばれる心理療法(昔のおもちゃや道具を使って、昔遊びの体験や思い出などをお互いに話す)やヨガなどのリラクゼーションを取り入れた活動、その他にも、塗り絵や絵を描くなどの創作活動がありました。

実習に参加している私たちも、一緒に楽しめるような内容でした。
そして基本的には机や椅子を円のように並べて、皆の顔が見える状態で行うので、私たち実習生も、隣の患者さんと話す機会がありました。

入院患者さんの内訳としては、、、
統合失調症の方が多い印象でしたが、うつ病や認知症で入院されている方もいました。
そして、少なくとも最低限日常会話ができるぐらい回復されている方が多い印象でした。
(中には認知機能が低下している方などもいらっしゃいましたが・・・)

精神疾患を持っていらっしゃる患者さんと携わることは、ここが初めてだったこともあり、最初はとても緊張しました。
自分と話して悪化したら・・・そもそも、どのような声掛けをすると良いのだろうか・・・と、常に悩みながら声をかけてみる、という状態でした^^;
また、グループワークでは、3~10人くらいの人数の幅がありますが、一度に皆の様子を見ていかなければならない分、気を張る面も多い印象を受けました。
(もちろん、慣れもあるかと思いますが)

また、臨床心理士の先生によると、参加する患者の認知機能や体の状態に合わせて説明の文言を変えたり、プログラムを変えたりするといったことも行っているようです。さすがプロフェッショナル、という感じです。

単科の精神科では、患者さんによりますが、やはり容態が重い方も多く、数か月~年単位で入院されている方もいるとのことです。

②他職種同士のケースカンファレンスの参加
また、単科の精神科病院にて、多職種同士のケースカンファレンスにも参加させてもらいました。
これは、先ほどのグループワークの直後に患者さんの見立てを一緒に立てたり、別途時間をとって会議の時間を設けたりしているようです。

20分~30分程度の時間の中で、各々の専門領域の観点で、1人1人の患者さんの病態を見立てていました。

右も左も分からない自分にとって、心理士の先生が、とても頼もしく見えたものです・・・。
将来、自分もそのようになれるのだろうか、と不安になりつつも、間近で勉強できる環境がすごくありがたかったですね。

このように、単科の精神科では主に①グループワークの参加②カンファレンスの参加の2つのことを実践させてもらいました。

★単科の精神科病院実習で感じたこと
単科の精神科病院で感じたことは、やはり入院病床や閉鎖病棟もあるため、病態の重い方が多い印象でした。
そのため、傾聴をメインとしたカウンセリングだけでは、なかなか対応しきれない部分も多いと感じました。(もちろんどの領域でもそうだと思うのですが・・・)

また、これまで教科書で読んでいただけの精神疾患に関する知識でしたが、実際に単科の精神科病院に来てみて、自分の体験を通じて理解するということができ、とても勉強になりました。

2.総合病院での実習

そして、医療領域の2つ目の実習先が、「総合病院」です。

総合病院では、精神科だけではなく身体疾患など幅広い領域に、心理士が関わることになっていきます。

具体的には、
①外来患者さんに心理検査を行ったり、
②緩和ケアの病棟を回りながら患者と面接する
といったことをしました。

①外来患者さんの心理検査
総合病院での実習では、私たち実習生でも心理検査をとらせてもらうチャンスがありました。
対象としては、主に子供です。主訴としては、発達障害や知的障害の疑い/不登校などがあるようでした。
最初は、心理士の先生の陪席をさせてもらい、どのような要領で検査をやっているのか、実際に見学させてもらう機会がありました。
大人と比べると、難しい言葉だと理解できないことや、検査に集中できず、飽きてしまう場合もあるため、分かりやすく伝えたり、スムーズに検査を行うように心がけているように感じました。
まだ心理検査のやり方を覚えたばかりの自分たちにとっては「すげぇ・・・!」の一言に尽きました(笑)

その後、WISC4を小学生~中学生くらいの子を対象に、実習生の私たちもとらせてもらいました。
そして、それを心理士の先生が後ろで陪席している!!ので、何かあったときのリスクは回避できるものの、若干コワかったです・・・(笑)
なんとか、日頃の練習の成果もあり(院生室などで、お互いに取り合いながら練習しています)、しっかりと実施することができました^^;

②緩和ケアの病棟を回りながら患者と面接する
また、総合病院の緩和ケア病棟を一緒に回りつつ患者さんと面接する、ということもやらせていただきました。
ここでいう面接は、カウンセリングのように個室で50分話すといったものではなく、病床で数分程話を聞いて患者の状態を確認していくというものでした。

「面接」といっても、色々な機能を持つものがある、という点でとても勉強になりました。また、短時間で要点を聴いていく・患者さんとの信頼関係を構築する、といったところも勉強になりました。

その他として、心理士の先生のお仕事ぶりだけではなく、
単科の精神科と比べると、外来患者も多いことから精神科医の先生の診察の陪席もさせてもらったり・・・なんかもしました。

総合病院での実習で感じたこと
総合病院での実習で感じたことは、心理の領域だけではなく、医学全般の知識を持っていたほうが良い・・・ということです。
それを一番感じた場所が、多職種で行うケースカンファレンスです。
ケースカンファレンスでは、ほとんどすべての領域(例えば内科や外科)のスタッフが参加するため、知識がないとカンファレンスについていけません。
しっかりと勉強したうえで実習に臨まないと、「スペイン語が頭上を行きかっている」レベルで、理解ができませんでした^^;(笑)

また、緩和ケアを行う病棟もあるため、必然的に人の死に直面する場面もあります。私の実習中にも、夕方面接する予定だった患者が午前中に亡くなるといったことがありました。
ストレスフルな場面にも落ち着いて対処できるよう、日ごろから自分の心身と向き合い、心構えもつくっておくことも大切かなと感じました。

・・・以上のような感じで、医療領域での実習をおこなっていきました。
単科の精神科病院、総合病院、メンタルクリニック・・・等、医療といっても色々な就職先があります。

実習を通して、将来的にどのようなクライアントさんと関わってみたいか、進路の選択においても沢山のヒントがあったように感じました。
今回は、あくまでも私の一体験ですが、医療領域で働く心理士像の一端として、参考にしてみてくださいね^^

-臨床心理士指定大学院

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【臨床心理士への道:大学院での実習】②教育領域編

こんにちは、くまねこです。^^ 前回、病院での実習について紹介しましたが、今回は教育分野での実習です。 教育分野においては、外部の機関に行って実習をしたのは1つだけでしたが、大学の相談センターでも発達 …

SV・教育分析を受けたら、成長が2倍速くらいになった(体験談)。

こんにちは、くまねこです。 今回は、心理士自身が熟練セラピストにケースの指導してもらったり(SV)、心理療法をしてもらったりする(教育分析)、SVと教育分析について、ちぃと語って見ようかと思います。 …

【臨床心理士指定大学院の授業:ゼミ編】研究?論文・・・?ゼミってどんなことをするの?

こんにちは、くまねこです。今日は「ゼミの活動」について紹介したいと思います。大学でも教授ごとにゼミがあったりするので、実際にゼミに入っていた方はその時の活動をイメージするとわかりやすいと思います。 大 …

【心理学検定について】受験するメリット&受けてみた感想など。

こんにちは、くまねこです。 普段ブログでは、心理の専門職を目指す方に向けて書いていますが、今回は ★まだ心理職を目指すか決まっていない方向け、また、 ★心理学に興味があり、関連資格をとりたい方向けの方 …

カウンセリングの方針をどう決めるか。初回面接~方針決めの流れについて。

こんにちは、くまねこです。 今日は、カウンセリングの方針をどう決めるか。というテーマで書いてみようと思います。 大学院を修了したばかりの初学者にとって、ケースを任され継続、終結に至ることは、とてもハー …