こんにちは、くまねこです。^^
薬物は、心理士が直接処方することはもちろんありませんが、クリニックや精神科病院につとめていると、多少なりとも知識が必要ですよね・・・。
ただし、薬の話は小難しいし、正確に説明を求められると「うっ・・・・」となってしまう方もいるかなと思います(私のことなのですが。汗)。
今回は今更ながら、そのなかでも抗精神病薬の基礎について、おさらいしてみようと思います。
抗精神病薬は主に統合失調症の患者さんの治療(幻覚や妄想・陰性症状など)に用いられます。
抗精神病薬には「定型」と「非定型」と呼ばれる薬があるのですが、その違いについて、ざっくりまとめてみます。
(精神科病院やクリニックなどで勤務していると、定型、非定型などの言葉は、よく聞くかもしれません。)
ちょいと小難しいですが、コーヒーやお菓子をお供にしつつ、お付き合いください♪
1.定型と非定型の違い、まずはざっくり。
まずは、2つの違いについて、結論から見ていきましょう。
2つは一体何が異なるのでしょうか?
→答えとしては、抗精神病薬のうち,従来から使用していたくすりを「定型」,副作用軽減のため開発されたくすりを「非定型」というようです(引用:看護rooによる定型と非定型の違いの説明)
つまり、もともとは「定型」が用いられていたけど、副作用が強いため、新しく開発されたのが「非定型」のお薬だそうですね。
このように副作用の観点から捉えてみると、シンプルで分かりやすいですね。
2.定型と非定型の違い、もう少し詳しくみていく。
では、具体的にはどんな違いがあるのでしょうか?
副作用軽減と言っていたけど、どんな副作用が具体的には軽減されたのでしょうか・・・?
ここで、定型と非定型の特徴についてみていきましょう。
【定型の特徴】
定型の特徴からみていきます。^^
まずは、そもそも抗精神病薬は、さまざまな脳内神経伝達物質のうち主にドパミンのD2受容体を遮断することにより精神病症状を緩和します。
なかでも、「定型」の抗精神病薬はドパミンD2受容体への親和性が非常に高く,抗精神病作用は強いものの錐体外路症状を主とする副作用が頻発することが問題となっていました。(引用:看護rooによる定型と非定型の違いの説明)
錐体外路症状とは、手足がふるえる、じっとしていられなくなる、体がこわばる、正常に歩けなくなる、動作が遅くなるなど・・・筋肉の緊張をコントロールする大脳の錐体外路という神経の通り道に、何らかの損傷が起きることによって現れる症状のことだそうです。(引用:ヘルシー|錐体外路症状(EPS))
→つまり、「定型」の抗精神病薬は、幻覚・妄想などの陽性症状を抑える効果が強い一方で、錐体外路症状が出てしまうことがデメリットのようですね。
【非定型の特徴】
では次に、非定型の特徴です。
非定型の特徴として、ドパミンD2受容体への親和性が比較的低く,ほかの脳内神経伝達物質の受容体へも作用するというものがあります。
そして、非定型はそれぞれの性質の違いから3つに分類することができます。
①SDA(serotonin dopamine antagonist:セロトニン-ドパミン-アンタゴニスト)・・・名前の通り、セロトニン受容体とドーパミン受容体に拮抗する働きがあるようで、幻覚・妄想などの陽性症状を抑えるだけでなく、セロトニン受容体を遮断することから、パーキンソン症状などの副作用が出にくいとされているようです。
②MARTA(multi acting receptor targeted antipsychotics,多元受容体標的化抗精神病薬)・・・ドパミン、セロトニン以外にも、アドレナリン・ヒスタミン・アセチルコリンなど様々な受容体に作用する薬剤だそうです。陽性症状・陰性症状ともに改善効果が期待されます。
③DSS(dopamine system stabilizer,ドパミン部分作動薬)・・・ドーパミンが過剰に働いているときは抑制し、少量しか放出されていないときは、刺激して放出するように作用する薬です。陽性症状も陰性症状も、どちらにも効果のある薬です。
→つまり、「非定型」はドパミンD2受容体の遮断だけではなく、他の神経伝達物質の受容体へも作用する働きが強いそうですね。また、陽性症状のみではなく、陰性症状や認知機能の改善にも効果のあるお薬が多いようです。
(引用、参考:大阪メンタルクリニック梅田院|現在使われている主な向精神薬)
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ここまで、抗精神病薬について、「定型」と「非定型」の違いをざっくりとですが、書いてみました。薬物のお話って、神経伝達物質の説明が沢山出てきて、しかもそれが横文字ばっかりで・・・少しとっつきにくいですよね。^^;
一度では当然覚えきれないので、何回も繰り返し学習することで、だんだんと理解できるようになっていけばいいな~、と思います(自分に言い聞かせつつ)。