こんにちは、くまねこです。
今日は、「カウンセリングをやっているときの、意識状態」というタイトルでブログを書いてみます。
大学院生の頃や、カウンセリングを始めたばかりの1年目は特に、
「先生たちは、何を考えながら話を聴いてるんやろ~」
「どんな視点を持てば、良いカウンセリングできるんやろ~」
・・・と、少しでも盗めるものを盗もう、と励んでました(しかし、分からず!じたばた足掻いてました)。
その頃から、早2,3年たった今。
カウンセリング機関、医療機関での勤務をそれぞれ1年ずつやってみて。
まだまだひよっこなんですが、その頃よりは前進しつつあります。
そこで今回は、臨床経験3年目の私が、
初学者の方向けに(大学院生~臨床経験1,2年目くらいの方)、カウンセリングのときの頭の中(意識状態)ってどうなってるの??という内容で、一つ書いてみようと思います。
つまるところ、ただのお節介です・・・
(よく言えば、ひよっこ視点で書くので、熟練セラピストの方よりも、より取っ付きやすい話・実践しやすい話が多いかもしれません。)
1.結論:前意識をウロウロしてます。
はい、いきなり今回の肝の部分を書きます(笑)
結論から言うと、カウンセリングをやっているときの意識状態。
基本的には、前意識あたりをウロウロ徘徊しながら、話を聴いています。
心理学を勉強されてる方なら分かるかと思うのですが、
意識と無意識の間の、前意識です。
(フロイト大先生の,人間の意識状態を理解するための理論:局所論より引用です。精神分析の基礎をおさらいしたい方、馬場玲子先生の「精神分析的人格理論の基礎」という書籍が分かりやすくておススメです。)
何かわかりやすい言葉が見つからず、フロイト先生の専門用語での説明ですいません。
もう少しわかりやすく言うと・・・
ある一定の事柄は意識しつつ、でも、基本的な操作は自動化されている。という感じでしょうか。
例えば、友達と話をするとき、家族と話をするときって、
無意識にポッとでた言葉を発することも多いかと思います。
そのように、カウンセリングのときも、ある程度は無意識に言葉がでます。(カウンセラーモードの発言になるけど・・・)
ただ、クライアントさんや患者さんの、
治療のキーとなるポイントや、
時間の枠組みなど、
注意しておくべきことは、なんとなく頭に置いておくという感じです。
なので、うっすら無意識だけど意識もちゃんとある状態=前意識という状態が、基本的な意識状態な感じがします。
クライアントさんの話が深まっていく中で、
お互いに完全なる深い集中状態(無意識、ゾーン状態)まで達することも、カウンセリング中盤ではあるような感じですが・・・(調子がよいときは・・・?)
2.もうちょっと詳しく見てみる
先ほど「前意識」をウロウロしてます、と言いましたが、もうちょっと詳しく見てみることにします。
30分枠のカウンセリングのなかの、自分の意識状態の動きを、少し観察してみると・・・
以下の太字あたりから前意識をウロウロし、★ではもう少し深い集中状態にいるような気がします。
【よくあるパターン】
0:00 挨拶、部屋への案内など
5:00 Thより最初の質問(この~~週間はどうですか?/何から話しましょうか~?etc)
近況を話すなかで、テーマらしきものが見えてくる
10:00 話題が深まってくる
15:00 ここらへんまでは、クライアントさんが特に多く話す
20:00 中盤~終盤につれて、Thの助言もだんだん増えてくる★
28:00 セッションのまとめ 次回予約について確認
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もちろん、例外もあると思いますが、一つの話題を扱うときにはだいたいこんな流れの感じがします。
序盤では状況を理解するために、見立てをもちながら、話をより詳しくきくことが多く、
中盤以降では話の流れが見えてきて、共感したり、助言したり、とカウンセラーの発言も多くなる感じです。
(一つの話題が早い段階で終わる場合には、話題が変わってこれがもう一山、ふた山くらいくることもあります・・・)
助言している段階では、これまでの見立てを積み上げて、
ある程度の仮説を持った状態で話せている感じがするので、より集中状態が深くなるような感覚でしょうか。
3.どうやって、意識状態をつくってるのか?
自分が、その前意識くらいのレベルの集中状態をつくるにあたって何をしているのか。普段振り返る機会って、案外無いものですね。
これを機に、意識してることを、箇条書きにまとめてみようと思います。
以下,カウンセリングが始まる前,自分の意識状態を整えるためにやってることです。
・クライアントさんの情報を、事前に頭にいれ、カウンセリングのシミュレーションを何となくしておく。(大筋の治療のテーマは何か,今日どんな話がでるかなー?と思いをめぐらせたり。前回、どんな話がでたか。など。)
・それが終わったら,自分自身が力を抜くように,身体の緊張を抜く。深呼吸をしたり、軽く目を閉じてみたり。呼吸が浅いと、緊張感がクライアントさんにも伝染して、カウンセリングルームが緊迫感のある場所になる気がします。お互いに、ゆったりとした心持ちの方が、クライアントさんも自分の話に集中できるので、まずは自分の力を抜くようにしていってます。
・カウンセリングが始まったら,基本的にはいつも話すよりも、ややペースダウンした話し方でゆったりと対話することを意識してます。クライアントさんも、特に対人不安が強い方などだと、ゆったり話すことでだんだんと緊張が落ち着いていくことが多いです。
意識状態をつくることでいうと、だいたいこんな感じの流れで集中モードに入ってる気がします。
今回書いたのは、あくまでも私のパターンですが、集中モードに入るためのルーティン的な流れを、自分の中に持っておくと良いかなぁと感じます。特に初学者だと焦りが出やすいので、事前準備や自分の状態を整えることを意識してみると、少し余裕が出ます。