こんにちは、くまねこです。
当ブログで度々、心理士の就職事情について書いておりますが、心理職には公務員という選択肢もあります。
(社会人経験4年目の心理士から見て、ぶっちゃけ、ダントツで高給を目指せるのが公務員だと思います・・・お金が欲しい。)
もちろん、臨床心理士としてのやりがいを十分に感じられるのが、
公務員だけ!という訳ではありませんが、
社会人になって、お金の現実に直面していくと、きれいごとだけで仕事ができないのも事実です(悲しい。。。)。
そこで今回は、心理系の就職の中で、特に安定した収入が得られる、「心理系公務員」の種類や、就職スケジュールなどについて書いてみたいと思います。
少しでも興味がある方は、チラっとでも、覗いてみてくださいね♪
1.どんな種類があるの?まずは「心理×公務員」の就職先一覧
以下、①国家公務員と②地方公務員に分けて、心理×公務員での就職先一覧をまとめてみました。(ひとまず、ほぼ東京都に絞って、情報をまとめてみました)
大部分は、心理系公務員情報をまとめている、こちらのサイトを参考にしました(公務員試験総合ガイド)。
臨床心理系にとどまらず、総合職も含んでいます。
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①国家公務員
★国家公務員総合職 人間科学区分・・・総合職での就職となるので、一般的な「心理職」とは少し異なるかもしれません。ただし、採用試験の過程で心理学の知識が活かすことができます。省庁の管轄となるので、政策の企画などをおこなう、まさに国の中枢を担う業務となるようです。(周りに就職した人がいないので、具体的な情報がなくて申し訳ないです。泣)
★裁判所職員専門職 家庭裁判所調査官・・・家庭裁判所調査官は、例えば離婚、親権者の指定・変更等の紛争当事者や事件送致された少年及びその保護者を調査し、紛争の原因や少年が非行に至った動機、生育歴、生活環境等を調査します。こうやってきくと、心理士としての知識もかなり活かされそうですね(参考引用:裁判所)。
★法務省専門職員・・・法務省専門職には、矯正心理専門職、法務教官、保護観察官の3つがあります。
(1)心理矯正専門職・・・法務省専門職員のなかでも、特に心理に特化している仕事内容です。主に少年鑑別所と呼ばれる、犯罪を犯してしまった少年の心理検査や今後の処遇を調査する機関で働くことが多く、私の大学で犯罪心理学を教えてくれた先生も少年鑑別所から来ていました。少年鑑別所で検査した結果などは、家庭裁判所での審判の資料になることもあり、とても重要な仕事です。
(2)法務教官・・・少年院や刑務所において、生活指導など先生のような役割を担うようです。
(3)保護観察官・・・犯罪をした人が、円滑に社会復帰できるようにサポートしていきます。心理の資格や精神保健福祉士などが必要であり、臨床心理士・公認心理師の資格は重宝します。
★防衛省専門職員 自衛隊の臨床心理士・・・防衛省の専門職員として、自衛隊員の心理カウンセリングなどをおこなっていくようです。
②地方公務員
地方公務員は、東京都を例に一覧を載せみます。
★地方上級心理職など(東京都Ⅰ類B&東京都 特別区)・・・心理系公務員の多くが都道府県で採用があります。例えば、東京都では毎年数人程度募集がありますが、いずれの都道府県も採用数は少なく、なかには毎年募集していないところもあります。具体的には、児童相談所などで児童心理司、自治体における心理判定員などとして働くことができます。東京都Ⅰ類Bの試験では都での採用(都の管轄)、東京都特別区では23区(区の管轄)での採用となります。
(あとは、市町村などでは自治体ごとに心理職の採用がある?)
★警視庁職員Ⅰ類 心理技術区分(警察行政職員)・・・警察官ではなく、警察行政職員という枠での就職になります。具体的には、非行少年の相談や、職員のカウンセリング、被害者支援などをおこなっていくようです。また余談ですが、都道府県警のなかには、最近問題となっているストーカーや児童虐待などの問題に対応するために、心理学に精通した「警察官」を募集しているところもあるそうです(この場合は警察官としての採用)。
★科学捜査研究所 心理・・・たとえば、事件の関係者、被疑者に対するポリグラフ装置を利用した心理鑑定、検査及び研究並びに犯罪者プロファイリングに関する研究をおこなったりするようです。調べた限りですが、どちらかとうと、実験心理的な要素も強いのかな?という印象です。(参考HP:神奈川県警、科捜研になろう)
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なお、国家公務員の場合、転勤が全国になることから(希望は聞いてくれると思いますが)、色々な場所で働いてみたいと思う人は目指してみるのもいいかもしれません。
ちなみに私の友人は司法の道を目指していたので法務省と警察を受け、警察の方に合格しました。
2.就活の進め方について
心理系の学生の就活の多くが冬頃に始まりますが、公務員試験は多くが春~夏にかけて行われます。
地方公務員を受験した友人の体験談によると、大体試験の半年前以上から筆記の勉強を始め、その間に説明会に行って情報収集を行い、受ける場所を決めたら面接の練習も同時並行で行っていたそうです。
一番大変なのは、やはり筆記試験と言っていました。というのも、公務員試験では国語、数学、英語、理科、社会(私は見たこともないので、こんな感じの説明ですが)が問われ、その勉強だけでもかなりの時間を費やさねばならず、さらに心理系公務員の場合は心理学の専門試験も出題されるため、さらに難易度が高くなるためです。
心理学は大学院の授業と並行して勉強できるみたいですが、それ以外は自分で問題集を買ったり、模試を受けに行っていたそうです。
それに加えて研究や実習をこなさなければならないので、本当に受かりたいという気持ちがないと厳しいと感じました。
3.心理系公務員の魅力
公務員にも様々な魅力がありますが、やはり一番なのは安定した収入が得られることではないでしょうか。
採用されれば、地方公務員または国家公務員としての立場になるので、心理職の中でも安定した収入が得られます。
収入の平均については、都道府県や機関によって異なってくるので一概には言えませんが、初任給は都道府県や機関ごとにホームページに載っているので、参考として見た方がいいと思います。
なかなか不安定な状況にある心理職のなかで、心理系公務員を目指す選択肢を入れるのもいいかもしれません。
ただ、公務員は副業に制限があったりするため、自由に働きたい人には向いていないのも事実です。
色々な働き方があるのも心理職の魅力なので、1つの選択肢として心理系公務員を考えてみてはいかがでしょうか。
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今回は、心理職の中でも高給が期待できる「心理系公務員」について、まとめてみました。
公務員には向き不向きがあると思いますが、興味のある領域で安定した収入が得られるなら、選択肢の一つとして考えても良いかもしれません。
試験対策がかなり大変そうではありますが、頑張ってみる価値はありそうです。