こんにちは、くまねこです。
前回のブログでSNSカウンセリングについて紹介しましたが、今回は2017年9月に長野県で実施されたLINEによる悩み相談について書きたいと思います。
(気づいたら今年、2021年ですね。4年前なので若干古いデータかもしれませんが。。。)
これは長野県の自治体が「ひとりで悩まないで@長野」という名前で相談体制を作り、中高生を対象として夏休み明けの9月10日から2週間実施されたものです。
なので2週間の期間限定での、実験的な取り組みということかと思われます。
そして2017年当時に、自治体がLINEと連携し悩み相談を行ったという、
非常に革新的な取り組みかと思われます。
なお、相談員については38人体制でシフトを組み、毎日10人、管理者1人で回しました。
統計的な数値を元に、実際にどのような相談が行われたのか、紹介したいと思います。
1.自治体でSNSカウンセリングが用いられた背景
まず、簡単にですが、自治体がSNSカウンセリングを用いた背景についてご紹介します。
私がネットでポチポチっと検索して調べたところ(出所の怪しさがすごい・・・)、
目的は、いじめ対策や自殺防止のため。
そして、こどもたちのコミュニケーション手段がSNSに移行してきている、という背景を踏まえてSNSカウンセリングの試行が行われたようです。
以下、検索して出てきたPDFですので、載せておきますね。
2.相談に関わる基本的な数値
では、ここから先は数字ばかりでやや眠くなるかと思いますが・・・(スイマセン)
相談に関連する、統計的なデータを載せておきますね。
また、これらのデータからわかることや、私が感じたことを以下に頑張って書かせていただきます!
★相談アクセス数(期間全体):2633件(1431人)
★相談アクセス数(時間内):1579件(900人)
★相談対応数:547件(390人)
★対応できた相談者の1人当たりの相談回数:1.4回
★1件当たりの平均相談時間:54分
★1件当たりの平均吹き出し数:73回
★1件当たりの最大吹き出し数:606回
(SNSカウンセリング入門 LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際から引用したもの)
上記が2週間実施した統計的な数値です。
★相談アクセス数について
相談アクセス数は重複も含まれているため、実際に相談した人数が1431人になります。
この数値をみると、わずか2週間でこれだけのアクセスがあったことから、非常に注目が集まったことが考えられます。
(先ほどの長野県の取り組みを見ると、始まる前に登録カードなるものを、12万人のこどもに配ったことが記載されています。そこから任意で相談をするという形ですかね)
★元来の電話相談との比較
そして電話での相談では、年間259件だったところから、SNSカウンセリングではたった2週間で547件と、大幅に増えていることが分かります・・・。
これは、劇的ビフォーアフターですね。。。
★全員に対応できたのか・・・?
先ほど、相談員は38名と言っていましたよね。それに対して1000件以上の相談がきています。(これはさばききれない・・・)
そして相談に対応できた件数と人数がアクセス数よりも少なく、対応できなかった人数も多いことが分かります。
実際、混みあってしまってつながりにくくなることが発生したそうです。
★リピーターもいた?
1人当たりの相談回数を見ると、1.4回であることから、複数回相談する人も多かったことが分かります。
なので、SNSカウンセリングが少なからず子どもにとって有益であり、相談としてしっかりと機能していたことが分かりますね。
さらに、相談時間や吹き出し数をみると、単にいたずらや冷やかしでラインするのではなく、真剣な相談を求める人が多くいることも考えられます。
★トータルの吹き出し数からわかる、相談の質
ちなみに、吹き出し数については、トータルで相談者は約2万3万回、相談者は約1万6千回という結果が出ました。
トータルの吹き出しの数字からは、
一般的にカウンセリングでは、相談者(クライエント)のほうが多く発言するので(発言できるようにカウンセラーが様々な技法を用います)、相談員の対応が心理カウンセリング的であったことが考えられます。
2.より詳しい統計的数値
ここから、さらに詳しい統計的数値について、記載していきます。
数字よんでると眠くなる人(私です)、コーヒーを持ってきて参戦してくだせぇ!
★男女比:男27%、女59%(不明は14%)
★学年比:中学生32%、高校生48%
★相談内容:
交友関係:119件(22%)
恋愛:83件(15%)
学業・進学について:48件(9%)
★男女比について
相談者の男女比については女性が男性の倍以上となりました。
対面の相談(いわゆる普通のカウンセリング)においても女性のほうが多いことが知られていますが、今回も同様の傾向が現れたといえます。
★中学生と高校生の違い
学年をみると、高校生が多くみられました。
この差についてはあまり考察されていませんが、スマホやパソコンの保有率の差、青年期に伴う様々な問題といった背景があるのではないでしょうか・・・。
最後に相談内容については、最も多かった件数の3つを載せました。
これ以外にも家族のことやいじめなど様々な内容があります。
ちなみに、雑談や相談内容が不明といった「その他」に分類されたものは77件(14%)ありました。なお、無応答は56件(10%)、冷やかしは26件(5%)でした。
以上、統計的な数値について紹介してきましたが、初めての試みであったことからアクセスが集中して相談できない、冷やかしや無応答といったいたずらもあるなども問題もありますが、多くは真剣に相談するためにラインをしており、多くの注目を集めたことが分かります。
まだまだ、研究が進んでいない分野なので、今回の検証は今後SNSカウンセリングを進めるための貴重なデータになったのではないかと感じます・・・。
なお、より詳しいデータや考察は私が読んだ「SNSカウンセリング入門 LINEによるいじめ・自殺予防相談の実際」とデータの大元である「長野県とLINE株式会社によるLINEを活用したいじめ等相談の中間報告資料」に書かれています。
(この資料には統計的データはもちろん、手ごたえを感じたケース・逆に難しかったケースについてなど、相談員の感想も書いてあったりするので、それも面白かったですよ^^)
ブログでは紹介しきれなかったものも多く書かれているので、詳しく知りたい方はぜひ手を取って読んでみてくださいね。
★雑談:私がスマホを持ったのは高校3年生のときでしたが(それまではガラケーです。ゲッ。年齢がばれる…汗)、その時から比較しても圧倒的にLINEなどのSNSが普及していますよね。
ちなみに超どうでもいいい話ですが、ガラケーでLINEをすると、更新しないと新しいメッセージが届かなかったり、既読機能もあったんだか無かったんだか・・・という感じで、いわゆるスマホで行うスピーディーなやり取りとは程遠い感じになります。(メールでも変わらんやん!)
ちなみにちなみに。私たちが高校生の頃は、「mixi」「前略プロフ」という自己紹介に特化したようなSNSが流行ってました。今は圧倒的にtwitter、LINE、instagramですよね・・・。年を取りました。