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【新しいメンタルヘルスサービス】臨床心理士・公認心理師による、「オンライングループ心理ケア」が誕生

投稿日:2022年10月28日 更新日:

こんにちは、くまねこです。

今回は、最近気になるニュースとして、臨床心理士によるオンラインでのメンタルヘルスサービスが発足したようですので、これについて取り上げてみたいと思います。

従来のメンタルヘルスサービスでは、精神科医療やカウンセリングなどの支援体制がありましたが、今回、一般社団法人国際心理支援協会によって、オンライングループの中で家族会や自助会、グループ心理ケアができたり、精神医学を学んだりできるサービス「MeeetU」が発足されたようです。

個人的には、興味深い取り組みだと思います。

調べた限りにはなってしまいますが、支援の概要や、オンラインメンタルヘルスサービスの、メリット・デメリットなどについても考えてみようと思います。

(宣伝とかではなく、あくまでも個人的に興味があったので調べています^^;)

※アイコン画像は、MeeetUのHPより引用させていただきました。マスコットのキティちゃんがかわいいですね♪

1.オンラインメンタルヘルスサービス「MeeetU」とは?

最近では、SNSやオンラインサロンなど、Web上でのコミュニケーションが活発化していますよね。

そして2022年7月9日、ついに臨床心理士・公認心理師によるメンタルヘルス系のオンラインサービスが発足されたようですね。ちなみに、7月9日から発足されたのは、正式なリリース前のβ版だそうで、正式版は10月10日に発足されました。

もともと、cotreeなど、一対一のオンラインカウンセリングを提供している心理士さんや法人はここ数年でかなり増えてきていましたが、

今回紹介する「MeeetU」のような、グループでの心理ケアができるものはほとんどなかったのではないかな?と思います。

私が知る限りですが、Youtubeで情報発信されている精神科医の益田ゆうすけ先生が、オンライン自助グループを展開されていたかなと思います(今回のオンライングループ心理ケアと、わりと近い?)。

そして、今回新しくできたグループ心理ケアでは具体的にどんなことをするのか、少し調べてみました。

一般社団法人国際心理支援協会の「MeeetU」HPを見たところ、サービスの内容として

1.学習・体験型
2.交流・居場所型

の2種類があるようです。

「学習・体験型」では一方向型(講演型)や講師同士が対話するものを聴いて、それに質問する形、あるいはワークやエクササイズ(実際に体験してみる)ということを通じて、心理学的なメンタルヘルスケア、精神疾患やその周辺の悩み・問題への対処法を学んでいくようです。

一方で、「交流・居場所型」は、同じ悩みを持つ人たちの自助会、また家族会をはじめとした「コミュニティ」として交流できる場所となっているようです。

2.グループ心理ケアに期待できること

このような、オンライン上でのグループ心理ケアでは、従来のカウンセリングや診察のみの支援よりも、アプローチの幅が拡がったのではないかと思います。

そこで、具体的には何が期待できそうか考えてみました。

1.メンタルヘルスサービスを受けるための、経済的なハードルが下がる

まず1つ目は、クライアントさんの経済的なハードルが下がる点が、大きなメリットだと思いました。

孤独や悩みを抱えたときに、1対1でのカウンセリングを受けるとなると、1回につき5000円以上かかってしまうことが相場なので、やはり経済的な負担が大きくなってしまいます。

しかし、グループ心理ケアでは、月額制(HPを見る限り①学習・体験型1980円、②交流・居場所型1980円で2つのコースに分かれていて、両方申し込むことも可能)で自分の参加したいタイミングで利用ができるため、経済的な負担がより少なくすむと思います。

2.多くのメンタルヘルス知識を得ることができる

また、交流のみでなく、専門家による多くの質の高い知識を得られることもメリットだと思います。

やはり、リアルな治療現場において、診察やカウンセリングの時間内で伝えられることには限界があります。

その点、オンラインで講座を定期的に開催したり、アーカイブで残しておくことによって、より多くの質の高い知識を得ることができると思います。

3.より短期間で沢山の人に参加してもらえる

また、枠にとらわれず、多くの人に参加してもらえることも、メリットだと思います。

診察やカウンセリングにおいて、1日のなかで1対1で会える人数には限界があります。

一方で、オンライングループ心理ケアでは、比較的その人数枠が開かれることから、より多くの人が同時に心理支援につながることができると思われます。

3.オンラインメンタルヘルスサービスのデメリットや限界

次に、オンライングループ心理ケアのデメリットを考えてみました。

やはり、メリットとデメリットは表裏一体でもあるので、できることの限界ももちろんあると思います。

1.深い治療は不可能?

1つ目に考えられることは、一対一のカウンセリングや心理療法のような、パーソナリティへのアプローチなど、深い治療は不可であることが考えられます。

もちろん、機能そのものが異なるので当たり前かもしれませんが^^;

自分自身にじっくり時間をかけて向き合っていくことが必要な場合には、カウンセリングや心理療法を用いることが望ましいのかもしれません。

2.トラブルが起きる可能性?心理士さんのマネジメントが大変。

あくまでも予想の範囲になりますが、ネット上でのコミュニケーションにおいて、トラブルになるパターンは、心理ケアに限らずよくあることだと思います。
(匿名などだと、特に起きやすいですよね)

ただし、こちらの心理ケアのグループでは、臨床心理士・公認心理師がファシリテーターとしてマネジメントしていくことと思われます。

そのため、誹謗中傷のような書き込みやコミュニケーションは起きにくいことが考えられます。

ただし、場をファシリテートしていく心理士の力量なども必要なので、心理士の経験も重要だなとおもいました。

3.治療と並行して行っていく場合には注意が必要

また、デメリットというよりも注意点となりますが、主治医に治療してもらっている場合には、主治医の許可を得たうえで参加するよう、HPにも書いてあります。

やはり、主治医の方針と異なってしまうようであれば、治療の妨げにもなってしまうので、その点は利用前に注意が必要かなと思いました。

ただし、心理学や精神医学の知識を得ていくことや、よい対人関係やコミュニティを築いていくことは、治療の上でも重要なことが多いので、治療方針と大きく異なってしまうということは、あまり考えずらいかな?とも思いました(対人刺激に弱い方などは、参加しすぎて疲れてしまうなどのデメリットは考えられますかね)。

******

今回は新しく発足されたオンライン上でのグループ心理ケアについて取り上げてみました。

これまでの一対一での心理支援では満たせなかった部分を、カバーしてくれるとも思いました(特に経済面などから参加しやすい)。また、一対一での治療と並行して用いることで、効果が期待できるということも考えられます。特に、学習意欲の高いクライアントさんにとっては、ありがたいサービスなのではないかなと思います。

本筋とは、ずれてしまいますが「MeeetU」のHPのマスコットキャラがキティちゃんでかわいいです。^^

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